【レポート】若手落語家三人会『三匹のこぶたちゃん』

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

北海道出身の若手落語家、林家扇・柳家やなぎ・柳亭市童による三人会「三匹のこぶたちゃん」が、12月3日に公演された。

会場は新札幌サンピアザ劇場。前回公演より5倍ほどの広さになる会場で行われた。

dsc_0238

サンピアザ劇場。全255席

dsc_0239

幕開け

dsc_0252

左から柳家やなぎ、林家扇、柳亭市童

会の名前『三匹のこぶたちゃん』の由来については「見たまんまです」と笑いを誘いながらも、童話のように最初はわらの家、次は木の家、そして真打へ向けてレンガの家、高座を作りたいという願いも込められていると説明。

林家扇

dsc_0271

林家扇(写真中央)この中では2年先輩になる

1990年3月13日生まれ、北海道恵庭市出身。2008年3月、林家木久扇に入門。2013年6月11日、二ツ目昇進。北海道では初の女流噺家となる。

演目は「ねずみ」。旅人が仙台にて、子供の客引きに会い、”虎屋”という立派な宿の斜向かいにある”ねずみ屋”という小さく汚い宿に泊まることになりー…

女流噺家ならではの無邪気な子供の明るい声、そして”女流”とは思わせない、しかし心地良い旅人の声色。多彩な声色を使い分け、コミカルに、時に涙声で伝えていく。

一方で”女流”ならではの温かい雰囲気作りにより、聞き手の雰囲気を和ませていくのは、さすがの一言。始まりで少し堅い様子が見られた会場の空気も、噺がすすむにつれ徐々にほぐれていく。これも、林家扇の魅力だろう。

そして最後には、「流行の踊りを」と、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つエンディング』の”恋ダンス”を披露。少し照れながら踊る姿は、この会ならではのレアシーン…?!写真でお伝えできないのが残念である。

柳家やなぎ

別海町出身の柳家やなぎ

別海町出身の柳家やなぎ(写真左)

1990年2月18日生まれ、北海道野付郡別海町出身。2010年9月、柳家さん喬に入門。2015年5月21日、二ツ目昇進。

枕では、実家が酪農家であるということで”鳴きそうでなかなか鳴かない牛”を披露。ただ牛の姿をするだけではなく「指をひづめの形にする」など酪農家ならではの徹底振り。特技にしたいとのことで、また違う会でも見ることができるかもしれない。

演目は「そば清」そば屋で世間話をしている客達は、見慣れない男が盛りそばを10枚食べている姿を見て興味を持つ。ある男が「あの人が盛りそば20枚食べられるか賭けをしようじゃないか」と持ちかけーというコミカルな話。そばを食べるシーンでは、やなぎが「わんこそばを125杯食べた」という実体験を持つからか、妙にリアルだ。啜る音は勿論、苦しいという演技も、演技に見えないほど臨場感が伝わってくる。

噺もさることながら、牛のマネのように、随所に入る「動き」を軸に、伝えて、笑わせるという部分に重きを置いて聞き手と対話する落語だった。

柳亭市童

dsc_0322

昭和歌謡を披露する市童(写真右)

1991年6月14日生まれ、北海道札幌市出身。2010年2月、市馬入門。2015年5月21日、二ツ目昇進。

演目は「明烏」(あけがらす)。日向屋の若旦那である時次郎は、部屋に籠もって難解な本ばかり読んでいた。あまりの堅物ぶりに心配した父は、町内でも札付きの遊び人の源兵衛と多助に、時次郎を吉原に連れて行くよう頼み込むー…。

マクラも演目と札幌出身を活かし、ススキノに関するくだりから入り、場を和ませていく。3人のインタビューでも語られた、「達者」な語り口で描かれる情感は、さながら吉原の街へタイムスリップしたかのような錯覚を覚え、なんとも滑稽な夜遊び入門が市童の口から語られていく。噺の内容からもいたしかたがないかもしれないが、男性の聞き手からは終始笑いが巻き起こっていた。

 

bodsc_0333

終了後物販ではファンと笑顔で交流

お三方にインタビュー

dsc_0370

非常にお忙しい中、快くご対応くださりました!

本日の感想をお願い致します!

林家扇(以下、扇)「第2回ということで、前回は50席で満席だったところ今回は255席ということで、お客さんにきていただけるのか本当に心配だったのですが、実際蓋を開けてみたら120人ほどのお客様に来ていただけて本当に感謝しています。」

柳亭市童(以下、市童)「地元北海道ということで、こんなに落語好きが眠っていたのか!と驚いています。最後、お客さんの顔も見ることができてすごく嬉しいです。」

柳家やなぎ(以下、やなぎ)「我々まだ未熟者ですがこんなにたくさんのお客様に来ていただいて、そして本当に素敵なお客さんばかりだったので…今でも胸がふわふわ躍っている状態です。」

 

普段は各地でご活躍されている皆様ですが、地元北海道での公演にはどのような思いがありますか?

扇「地元の会ということで、親ですとか親戚、同級生などお世話になった方が見に来てくださるので、緊張もしますがやる気、活力が沸いてきます。」

市童「本当に地元なので(※札幌出身)親戚がきていたりこっぱずかしいところもありますが…素直に嬉しいですね。」

やなぎ「我々普段は東京にいるので、地元北海道で公演できるということが本当に嬉しいです。改めて、”自分は北海道の子なんだなあ”と再認識いたしました。」

 

お互いの芸で「ここがすばらしい・注目している」というポイントを教えてください。

扇「市童さんは口跡、括舌がすごくいいです。そして単純に口が達者ですね。うまいです。やなぎさんはちょっとしたときのボケとかリアクションの”間”がすばらしいです。一番笑いをとれるのは、この中ではやなぎさんかなって。負けないようにがんばります!」

市童「扇姉さんは…女性落語家って、少ないんです。まだ僕達下っ端ですが、若手落語家の中では、活躍しているなと。やなぎくんは、今日は古典でしたけれど、新作を自分で作ってできるのがすごいなと思います。」

やなぎ「落語って昔から男性の芸で、男性目線の落語が多いんです。その中で扇姉さんは、男前な落語ができるんです。かっこいいですし、見ていてすごく形がいいので、自分も学びたいなと思います。市童ちゃんは、扇姉さんも言っていましたが落語がすごく上手で、古典の世界を持っています。僕なんかが逃げたくなるような箇所も、逃げずに直球勝負ができる。そこが強いと思います。」

 

キタオン読者の中には皆さんと同年代の読者も多いです。落語ブームということで徐々に若い人にも落語が浸透してきていると思いますが、若手落語家の皆様から、落語の魅力を伝えていただきたいです!

扇「札幌でもこういう我々のような二ツ目の会ですとか、各地でも小さいカフェでの落語会などがとても増えているようです。「落語ってみたことないけど、同年代の人がやっているんだったら見てみようかな」と思いましたら、本当に何も気負わず、ふらっと見に来ていただきたいです。よろしくお願い致します。」

市童「落語って言うとちょっと古臭いかな、と思う方も入ると思いますが、私達若いから、どうがんばって古くやろうと思っても”今”の感覚になってしまうんです。なので、若い人にもあまりハードルを高く思わず、見に来ていただきたいです。」

やなぎ「自分が落語を聴いて楽しかったので、同じような若い方にも「落語って面白いな」とひとつ思っていただけたら嬉しいです。ぜひ足を運んでいただけたらなと思います。」

dsc_0279

満席になる日は、そう遠くなさそうです。

 

三匹のこぶたちゃん・落語会情報 あのころのオチケン

林家扇 落語協会Twitter

柳家やなぎ 落語協会

柳亭市童  落語協会

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

【レポート】若手落語家三人会『三匹のこぶたちゃん』の関連記事

ピックアップ記事

  1. 6月に全国ツアーを行い、北海道に帰ってきたばかりの藤井蛍さんにインタビューさせていただきました! …
  2. 函館港まつり 昭和10年からの歴史を数える、函館最大級のイベント「函館港まつり」は、8月1日(火)…
  3. DO IT NOW THE LAMINAZ 04 による2nd Single …
  4. Freaky Styley、キタオン4度目の登場です! 今回はボーカルの宮城さんお一人にインタ…
  5. 2017年6月10日(土)札幌で「ヒッピーズ寄席スペシャル さっぽろ落語全集第一…
  6. Last Warning / Living Dead Freaky Style…
  7. ボードゲームに勝利して、ドイツを目指せ! 2017年5月28日(日)に「カタン」日本選手権の北海道予…

最近の記事

キタオンについて

キタオンは徹底して、「北海道」にこだわった、ローカルメディアサイトです。北海道の音楽シーンから、観光、ビジネス、物産の紹介など、幅広く情報を扱っていますが、1つだけ言えるのは、あくまで北海道にこだわった情報です。

北海道内からご覧の皆様、ぜひ、地域情報の再発見をしてみてください。今まで知らなかった面白いことが沢山見つかるはずです。

北海道外からご覧の皆様、ぜひ、北海道発の様々なものに興味を持って、そして試していただければと思います。

ほっかいDOバザール新着商品

  • No items.
  • ページ上部へ戻る